金刚纱网的颜色:東京新聞:<つまり主婦という職業は、いずれは消滅すべきはずのものであ…:社説?コラム(TO...

来源:百度文库 编辑:九乡新闻网 时间:2024/07/14 09:24:36
<つまり主婦という職業は、いずれは消滅すべきはずのものである>。民族学者の梅棹忠夫さんが一九五九年以降、雑誌などで発表した「妻無用論」は、社会的な論争になった▼<家事をとりおこなうための専従者が存在するということ自体が、ある意味では、未開の証拠である。文明がすすめば、そういうものは不要になる>。梅棹さんはそう言い切った▼戦後の高度成長が始まり、男性は外で働き、女性は家庭を守るという分担が定着しつつある時代だ。家電製品の普及などで、家庭での男女の役割の差がなくなると予見した論考は、時代のはるか先を行っていた▼「知の巨人」と呼ばれた梅棹さんが九十歳で亡くなってちょうど一年。かつて、主婦たちが「妻無用論」に猛反発した当時、前提になっていた家族のあり方は、大きく変わった▼昨年秋、実施された国勢調査の速報によると、総世帯に占める「一人暮らしの世帯」は初めて三割を超え、これまでトップだった「夫婦と子どもによる世帯」を初めて上回った。存命なら驚かれただろうか▼かつて歴史全集の最終巻「人類の未来」の執筆を引き受けた梅棹さんは執筆直前に「あかん。人類は滅びるしかない。大脳が大きすぎるからや」「滅びる話は書く気になれん」と編集者に言って刊行は幻に終わった。梅棹さんのこの予見だけは、外れることを祈るばかりだ。
広い世界だ。例えば、ほぼ年中、雪や氷に閉ざされた厳しい土地もある。だが、そこにも、営々と生活を続けている人々がいる▼そんなリポートをテレビで見て、こう思ったことはないだろうか。「どうしてまた、そんな大変な場所で暮らすのか」と。大震災以後、分かってきたのは、その答えは、多分、私たちの中にあるということだ▼その余震もかなり減ってきたと思っていたら、昨日朝、今度は、長野県中部で大きな地震が起きた。思い出したのは先日のカタルーニャ国際賞授賞式での作家村上春樹さんのスピーチだ▼大震災について語る中で、日本人は<言うなれば、地震の巣の上で生活を営んでいるようなもの>と表現。そして、こんな疑問を抱かれるだろうと語った。<どうしてそんな恐ろしい場所で、それほど多くの人が当たり前に生活していられるのか?>(共同)▼広い世界には、例えば、地球温暖化による海面上昇に苦しむ厳しい土地もある。だが、私たちはもう、「どうして?」などと軽々しく思うことはないだろう。大震災による地盤沈降で、陸だった所が海になってしまうことの恐ろしさも哀(かな)しさも知っている▼遠い世界の、他人事に見えていたことが、実はそうではないと悟る。もしも「3?11」以後、私たちの視野が少し広がった面があるなら、少なくとも、それは、悪いことではないだろう。
「海の幸」の謎
謎には人をひきつけてやまない魅力がある。歴史や事件、もちろん芸術もそう。夭折(ようせつ)の天才画家?青木繁の代表作「海の幸」も、謎の多い作品である▼房総半島の布良海岸(千葉県館山市)へ仲間と出かけた際に、友人の画家坂本繁二郎が見た大漁陸揚げの話を聞いて制作したといわれる大作。裸体の10人の男たちが獲物のサメを運ぶ横長の大画面は、原初的で、神話の一場面のようにも見える▼22歳の作でありながら「明治洋画の金字塔」とまでいわれる名作だが、この絵は実は完成作かどうか、いまだに決着がついていないそうだ。そういえば、下描きらしき格子状の線は荒々しく残り、塗り残しの部分も多い▼これを完成作とみれば、当時としては非常に珍しい表現形式であり、自由な描き方から時代の最先端を行く「前衛」表現とみる研究者もいる。画中で鑑賞者の方へ視線を向ける白い顔の人物を含め、祝祭的な画面は、謎がふくらむばかりである▼ことしは青木が東京から郷里の福岡県久留米に戻り、放浪の末に不遇のまま28歳で世を去って100年。節目の記念展が、京都市左京区の京都国立近代美術館で10日まで開かれており、「海の幸」と久しぶりに対面した▼残念ながら、この絵は今や中学の美術教科書から消え、青木の名を知る人も少なくなっていると聞くが、画面の不思議な吸引力は健在だ。ちなみに、青木の本格的な展覧会の開催は関西で初めてだそうだ。
女性の比率
女性で初めて国際通貨基金(IMF)トップの座に就くラガルド氏の出身国フランスは女性の社会進出を法律で促している。下院議員選では政党の候補者を男女同数にし、企業の役員も一方の性に偏らないよう定める▼女性の割合を増やすためのクオータ(人数割当)制だ。先日発表された本年度版の男女共同参画白書は、日本への導入を提言している。だが、この制度、慎重論も根強い▼九州大が来年度に理学部数学科の一部の入試で予定していた「女性枠」を中止した。定員9人のうち5人分の出願を女性に限定したところ「男子への差別だ」「法の下の平等に反する」との批判が寄せられたためという▼性別や人種などで社会的に不利な立場の人々を、政策により増やすことには賛否がある。少数派人種の学生を優遇する制度があるアメリカでは、好成績なのに不合格になった白人学生が、訴訟を起こすことも珍しくない▼そうした事例を「ハーバード白熱教室」で有名なサンデル教授が著書で取り上げている。「少数派の入学で大学に多様性が生まれる」「性別や人種で優遇するのはおかしい」。相反する意見の応酬は、社会的正義を考える格好の題材なのだろう▼「社会的組織にふさわしい使命は、たえず論争の的になる」と同教授は言う。仏米両国が賛否の中で進める少数派優遇策の背後には、どんな社会を目指すのかという議論の蓄積が感じられる。日本はどうだろう。
[京都新聞 2011年07月01日掲載]
「海の幸」の謎
謎には人をひきつけてやまない魅力がある。歴史や事件、もちろん芸術もそう。夭折(ようせつ)の天才画家?青木繁の代表作「海の幸」も、謎の多い作品である▼房総半島の布良海岸(千葉県館山市)へ仲間と出かけた際に、友人の画家坂本繁二郎が見た大漁陸揚げの話を聞いて制作したといわれる大作。裸体の10人の男たちが獲物のサメを運ぶ横長の大画面は、原初的で、神話の一場面のようにも見える▼22歳の作でありながら「明治洋画の金字塔」とまでいわれる名作だが、この絵は実は完成作かどうか、いまだに決着がついていないそうだ。そういえば、下描きらしき格子状の線は荒々しく残り、塗り残しの部分も多い▼これを完成作とみれば、当時としては非常に珍しい表現形式であり、自由な描き方から時代の最先端を行く「前衛」表現とみる研究者もいる。画中で鑑賞者の方へ視線を向ける白い顔の人物を含め、祝祭的な画面は、謎がふくらむばかりである▼ことしは青木が東京から郷里の福岡県久留米に戻り、放浪の末に不遇のまま28歳で世を去って100年。節目の記念展が、京都市左京区の京都国立近代美術館で10日まで開かれており、「海の幸」と久しぶりに対面した▼残念ながら、この絵は今や中学の美術教科書から消え、青木の名を知る人も少なくなっていると聞くが、画面の不思議な吸引力は健在だ。ちなみに、青木の本格的な展覧会の開催は関西で初めてだそうだ。